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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第25章 生と死
「やはり、むくつけき男子(おのこ)が持つよりは、花も美しきおなごの方が歓ぼう」
 花束はそのまま瑶子の手に渡った。
 たくさんの花を抱えた瑶子はまさに花の精のようだ。いつもは少し地味にも見える顔立ちが華やかに見え、可憐さが際立つ。
 瑶子を見つめる頼経が少し眼を細めた。実は彼がこんな眼で女性を見つめるのは最初の妻千種以来だったのだが―、瑶子はもちろん、頼経自身もそのことにまだ気付いてはいなかった。
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