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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第25章 生と死
 ふと頼経がじいっと見つめているので、首を傾げた。
「何かまた、おかしいことを言いましたか?」
「いや、そうではない。そなたの話はなかなか珍しく興味深いので、面白く聞いている。しかし、話に夢中になりすぎて、米粒がついている」
 頼経の顔が近づいたかと思うと、頬に温かくやわらかなものが触れた。頬についた米粒を頼経が口で取ってくれたのだと思った瞬間、頬が熱くなる。
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