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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
 ここ数日、夢は見ていない。その夜も頼経は夜四ツ(午後十時)前には御台所の寝所に入った。
 眠りにつくまでには、大抵は他愛ない話をして過ごすことが多い。月の美しい夜には頼経が得意な笛、瑶子は琴を合奏することもあった。ただし、瑶子は自分でけして我が身の琴が頼経に釣り合うようなものではないことは知っている。
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