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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
けれど、優しい頼経は手合わせする度に
―また腕を上げたな。
と褒めてくれる。そんな風に褒められると嬉しくて、つい頼経に褒めて貰いたくて練習に励むのだった。
月が輝く宵、若い将軍夫妻が奏でる調べが流れ始めると、御所内の人々は心淋しく過ごしてきた頼経が漸く明るい日々を取り戻したことを歓ぶのだった。実際、新しい御台所を迎えてからというものも、頼経は再び笑顔を見せることが多くなったと御家人たちの間では噂になっていた。
―また腕を上げたな。
と褒めてくれる。そんな風に褒められると嬉しくて、つい頼経に褒めて貰いたくて練習に励むのだった。
月が輝く宵、若い将軍夫妻が奏でる調べが流れ始めると、御所内の人々は心淋しく過ごしてきた頼経が漸く明るい日々を取り戻したことを歓ぶのだった。実際、新しい御台所を迎えてからというものも、頼経は再び笑顔を見せることが多くなったと御家人たちの間では噂になっていた。