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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第26章 悪しき夢(結実)
結局、彼は先妻の竹御所との間にはさっさと子を作ったものの、後添えに迎えた自分との間には子は作りたくないのだ。それだけ自分は愛されていない。〝愛されぬ妻〟。その言葉に、今更ながら泣けてきて、姫小百合のピンク色が涙の幕の向こうでぼやけた。
その夜、瑶子は頼経の腕の中で、どうしても燃えることができなかった。いつもなら素肌を這い回る手のひらの熱さにあえかな声を洩らす妻が何の反応も示さない。頼経もそのことには気付いたらしく、営みは更に烈しいものになった。
その夜、瑶子は頼経の腕の中で、どうしても燃えることができなかった。いつもなら素肌を這い回る手のひらの熱さにあえかな声を洩らす妻が何の反応も示さない。頼経もそのことには気付いたらしく、営みは更に烈しいものになった。