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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第27章 切なすぎる夜
 が、次の瞬間、立ち上がろうとした瑶子の身体がくずおれた。
「おいっ」
 頼経が駆け寄ったが、瑶子は腹を押さえて、うずくまったままだ。その顔から血の気が失せていた。
 これはただ事ではない。何か異変が起こったのだ。頼経は瑶子を背負って御所まで戻ろうとした。が、頬に冷たいものを感じ、空を見て愕然とした。通り雨が来る。
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