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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第34章 切なる願い~父と息子~

「頼嗣どのの人生は頼嗣どののもの。私も母にございます。殿と同じ気持ちももちろん、ございます。さりながら、生涯、北条の影に怯えて暮らすか、ここで自らの運命は自分で選び取るのだとはっきりと意思表示するか。すべてが悪い方向に向かうとは限りますまい。頼嗣どのが北条の底知れぬ怖ろしさや企みを承知で敢えて闘う道を選ぶというのなら、私は息子の勇気と闘志を讃え応援してやりたいと存じます」
その生き生きとした瞳を見た時、頼経の脳裡にふと鮮やかに甦った情景があった。
その生き生きとした瞳を見た時、頼経の脳裡にふと鮮やかに甦った情景があった。

