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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第35章 対決~将軍と執権~

すぐにその脚で河越館に向かった。もちろん、菊乃も輿に乗せて運ぶ。頼嗣だけは先に馬を駆けさせて河越館に着いた。
康経の骸は広間に安置されていた。将軍自らが来たと聞き、広間に静かなざわめきがひろがった。そこには亡骸を取り囲む河越一族と代々、河越氏に仕える郎党が控えていた。
「何ということだ」
頼嗣は骸に近づいた。菊乃は頼嗣にとっては生母に等しい存在でもある。将軍世嗣として頼嗣は早く生母から離され乳母の手に養育を委ねられた。
康経の骸は広間に安置されていた。将軍自らが来たと聞き、広間に静かなざわめきがひろがった。そこには亡骸を取り囲む河越一族と代々、河越氏に仕える郎党が控えていた。
「何ということだ」
頼嗣は骸に近づいた。菊乃は頼嗣にとっては生母に等しい存在でもある。将軍世嗣として頼嗣は早く生母から離され乳母の手に養育を委ねられた。

