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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第35章 対決~将軍と執権~

千草の言い分は筋が通っており、康経の訃報を聞いた際、父頼経が彼に向けた言葉とまったく同じであった。自分たちが恋を成就させることで多くの犠牲を払わねばならないというのなら、この恋は辛くても諦めるしかない。
父も千草も口を揃えて同じことを言う。頼嗣自身、それが最も理に適った取るべき道だとは判っていた。それでもなお、千草を求める心を抑えられない。所詮、父の言うように、我が身は他人を顧みられぬ色恋に狂った愚かな男なのだろうか。
父も千草も口を揃えて同じことを言う。頼嗣自身、それが最も理に適った取るべき道だとは判っていた。それでもなお、千草を求める心を抑えられない。所詮、父の言うように、我が身は他人を顧みられぬ色恋に狂った愚かな男なのだろうか。

