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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第5章 源氏の一族
「痛ぇ。この暴力女め、今夜はお仕置きだ。覚悟しておけよ?」
わざと蠱惑的な声音で囁くと、楓は熟した林檎のように紅くなる。楓が今夜の夫婦の営みを想像しているのは明らかだ。
泣かせて嗜虐的な歓びを感じるのは閨の中だけで良い。しかも、楓は彼のために慣れない料理も頑張って拵えている。少しでも彼を歓ばせようと奮闘しているのはいじらしいほどだ。何しろ河越家の姫として大切に育てられた楓には料理をしたことがあまりない。