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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第36章 春雪

それが、鎌倉の女の強さであった。楓、千種(竹御所鞠子)、大宮どの瑶子、千草。この武士(もののふ)たちの集う東国の都鎌倉で培われてきた女たちの心底を絶えることない川のように流れる心意気でもあったのだ。
「どのような形でも良いのです。側室でも頼嗣さまの妻に変わりはありません。私は誰に邪魔されることなく、あなたさまのお側にいたい、ただそれだけが願いなのです」
決然とした瞳で見上げれば、頼嗣は涙の浮かんだ瞳で千種を強く抱きしめた。
「どのような形でも良いのです。側室でも頼嗣さまの妻に変わりはありません。私は誰に邪魔されることなく、あなたさまのお側にいたい、ただそれだけが願いなのです」
決然とした瞳で見上げれば、頼嗣は涙の浮かんだ瞳で千種を強く抱きしめた。

