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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第6章 復讐のとき
 広大な広間で、二人はかなり長い間、待たされた。やがて衣擦れの音とともに、
「御所さまのおなりにごさいます」
 と、先触れの声があり、続いて頼朝が若い家臣を従えて入ってきた。今日の頼朝はきらびやかな狩衣を纏っている。
「苦しうない」
 その声で、並んで平伏していた二人は顔を上げた。
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