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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第6章 復讐のとき
 楓は微笑み、政子との会話を良人に伝えた。
「姫さまは来年には入内されるそうです」
「そう、か」
 花を眺めていたらしい時繁は抑揚のない声で応える。その話題にさして気があるようではなかった。蓮見の邪魔をしてしまったかと楓が後悔した時、唐突に時繁が言った。
「お前は―楓は、入内したいと願ったことはあるか?」
 予期せぬ問いに、楓は眼を丸くした。
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