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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第6章 復讐のとき
「私が? 入内なんて考えたこともありません。武家とはいえ平氏や源氏のような由緒ある格式の武門ならばともかく、私のような一介の武士の娘には思いも及ばないことです」
 時繁が小さく笑った。
「だが、そなたほどの美貌であれば、後宮に入れば必ずや帝の眼に止まるだろう」
 楓は良人の意を図りかねた。
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