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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第6章 復讐のとき
「雲の上にお住まいの方について私などが知りようもありませんが、当今はそのようにお美しい方なのでしょうか? 時繁さまも整った面立ちをされていますし、世の中は美しき殿方が多いのかしら」
 楓の無邪気な言葉に、時繁がまた感情のこもらぬ声で応えた。
「埒もないことを。兄弟でもあるまいに、俺たちのような一介の民と帝を比べるなど懼れ多いことだ」
「そうですね。つまらぬことを申しました」
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