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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第7章 疑惑

また、頼朝自身もまるで眠り薬でも飲んだかのように馬上でうつらうつらと船を漕いでいたという。これもまた滅多とないことであった。頭脳派の武将といえども、歴戦の戦をかいくぐってきた頼朝である。乗馬は第一級で、調教されていない野生馬ですら楽々乗りこなしてみせるほどの腕前であった。それが居眠りで落馬とは不自然といえば不自然だ。
―連日の激務のお疲れが溜まっていたのではないか。
それが大方の見方だったが、中には首を傾げる者たちもいた。
―連日の激務のお疲れが溜まっていたのではないか。
それが大方の見方だったが、中には首を傾げる者たちもいた。

