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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第7章 疑惑
 また、一部では怪談めいた怖ろしい話もまことしやかに囁かれた。
―頼朝さまの前にふいに貴人のなりをした童子が浮かんだというではないか。
―貴人のなりをした童子? 
―そうじゃ、髪は角髪(みずら)に結い、眼の覚めるような深紅の小袖に純白の水干を纏った綺麗な童子であったそうな。
―それはもしや―。
 そこで人々は顔を合わせる。
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