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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第7章 疑惑
頼朝の死から二日経った。幕府内では現在、頼朝の葬儀のことで御台所政子の指揮の下、北条時政や河越恒正ら重臣たちが談合を重ねているという。初代将軍の格式をもって行われるため、準備にも入念に入念を重ねねばならない。
父は丸一日在宅しただけで、またその日の夕刻には慌ただしく御所に向かった。以来、一度も帰ってきていない。時繁は頼朝の家臣とはいえ、あくまでも恒正の配下のため、いつものように夕刻には帰宅していた。
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