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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第7章 疑惑
彼は今、まさにその宝剣の包みを手にしようとしているところだった。
「あなたが私を復讐のために利用していないという言葉を、私は今も信じています。でも、もうお側には置いて下さらないほど、あなたは私をお嫌いなのですね」
時繁は宝剣をまた傍に置き、楓を見た。ぬばたまの幾億もの夜を閉じ込めたような深い瞳。知り合ってもう何ヶ月、夫婦としてさえ暮らしたのに、この男に見つめられるとまだこんなにも胸が妖しく騒ぎ、身体が熱くなる。