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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第3章 父と娘
 数日と思えるような長い沈黙が続き、男がまた吹き出した。
「家出?」
 楓は頬を膨らませた。
「どうせまた笑い飛ばされるだけでしょう。やはり、帰ります」
 途端に男が狼狽えた。
「悪ィ、別に意味があって笑ったわけじゃない。ただ、何というかだな、何でそもそも家出なんかしなくちゃならないんだ?」
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