この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第11章 見知らぬ花婿

そんな中で月日はあっという間にうつろい、暦は師走に入った。
寛喜二年(一二三〇)十二月九日、鎌倉御所の大広間において、第四代将軍頼経と竹御所の華燭の典が盛大に行われた。竹御所は、その住まいに竹林が風情のある様子で植わっていたことから、その名で呼ばれるようになった紫姫の呼称だ。
紫姫は二代将軍頼家の息女であり、今では頼朝の血を伝える唯一の直系の姫である。この婚姻に伴い、紫姫は名を幼名から〝鞠子(まりこ)〟と改めた。
寛喜二年(一二三〇)十二月九日、鎌倉御所の大広間において、第四代将軍頼経と竹御所の華燭の典が盛大に行われた。竹御所は、その住まいに竹林が風情のある様子で植わっていたことから、その名で呼ばれるようになった紫姫の呼称だ。
紫姫は二代将軍頼家の息女であり、今では頼朝の血を伝える唯一の直系の姫である。この婚姻に伴い、紫姫は名を幼名から〝鞠子(まりこ)〟と改めた。

