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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第11章 見知らぬ花婿
 上等の練り絹の白小袖を纏った竹御所鞠子は殊の外美しく、その場に列席した重臣たちは皆、息を呑んだ。頼朝の代から仕えてきた御家人の中には感激のあまり、涙する者もいた。
―まるで天女が降臨したかのようなお美しさ。流石は亡き頼朝公のお血筋だけはある。
 その日の鞠子の周囲を圧倒するばかりの神々しさ、美貌は後々まで語りぐさになったほどだった。
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