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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第11章 見知らぬ花婿
「なるほど、人助けか」
男は愉快そうに声を立てて笑った後、前方で伸びている大男の傍に寄った。蛸男は相も変わらず大の字になって仰向けに伸びていたが、近づいてくる若者を見ると、ヒッと悲鳴を上げた。
慌ててその場に土下座し、平謝りに謝った。
「お、お助けを。もう、金輪際、悪さは致しません」
「判ったら良い。だが、今度、同じことをしたら、そのときは、その蛸のような頭が胴体から離れることになる、さよう心得よ」