この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第11章 見知らぬ花婿

「済まない。それほどきつく握りしめたつもりはなかったのだが、これでは痛かったであろうな。許せ」
物言いはどことなし居丈高だが、素直な性分であろうことはすぐ判った。恐らく、大切に育てられた御曹司なのだろう。先ほど、どれほど身をやつしても正体は内側から滲み出ているもので判ると彼自身が言ったように、この男もまた生まれ持った気品というのは隠し切れていない。
幼い頃から武芸はみっちりと仕込まれたが、苦労知らずの坊ちゃんといったタイプだ。
物言いはどことなし居丈高だが、素直な性分であろうことはすぐ判った。恐らく、大切に育てられた御曹司なのだろう。先ほど、どれほど身をやつしても正体は内側から滲み出ているもので判ると彼自身が言ったように、この男もまた生まれ持った気品というのは隠し切れていない。
幼い頃から武芸はみっちりと仕込まれたが、苦労知らずの坊ちゃんといったタイプだ。

