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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第11章 見知らぬ花婿
 ふと我に返った瞬間、千種は彼の腕の中にいた。もののふらしい、鍛え上げた彼の身体はもう少年ものではなく、立派な大人のものだった。
 静かに唇が降りてくる。しんと冷たいようでいて、ほのかな危うい熱を帯びている彼の唇を受け止めながら、千種は幸せな夢の中を漂っていた。
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