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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実

言いながら、虚しさが心を満たしてゆくのをはっきりと自覚していた。夫婦となって四年を数えながら、貌を見たこともない良人に操を立てる必要があるのだろうか。そんな反発めいた気持ちもあった。
頼経は今年、十六歳になった。十六歳といえば、微妙な年頃である。身体は殆ど大人として完成されているけれど、心の方が身体の急激な成長に追いついてゆけてないという時期だ。高貴な立場、しかも将軍という一日も早く後継を儲けねばならない身であれば、そろそろ側妾を置いてもよい歳でもあった。
頼経は今年、十六歳になった。十六歳といえば、微妙な年頃である。身体は殆ど大人として完成されているけれど、心の方が身体の急激な成長に追いついてゆけてないという時期だ。高貴な立場、しかも将軍という一日も早く後継を儲けねばならない身であれば、そろそろ側妾を置いてもよい歳でもあった。

