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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
引き合いに出すのも畏れ多い話ではあるが、後鳥羽院は十五歳でいきなりほぼ同時に二児の父となっている。二人の年上の中宮たちが次々に身籠もったのは院がまだ十四歳のときであったという。早婚が当たり前であった当時、貴人が早くから妻妾を侍らせ子を儲けるのは特に珍しいことではなかった。
頼経が十六歳も年上の御台所に見向きもしない今、実のところ幕府内でも頼経に見合った年頃の若い娘を側室に勧めては主張する重臣もいるとか。