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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 更に悪いことに、時繁の存在は日毎に薄れるどころか、大きくなってくる。ひと月ほどの間に楓はろくに食事も受け付けなくなり、ひと回り痩せた。元々の雪膚は更に白く透き通り、半病人の体になった。恒正は婚礼前に大切な娘の身に何かあってはと医師を呼んで診させたものの、特に異常は見当たらずと体力を増進させる滋養強壮の薬が処方された。
 そんなある夜。暦は既に卯月を迎えていた。鎌倉でも桜が本格的に咲き始めたある日のこと、父恒正が漸く姿を見せた。
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