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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 楓は歓び、父を迎えた。それまで床に横たわっていたが、慌てて飛び起きた。恒正は上座にゆったりと座り、楓は手をつかえて出迎える。
「しんどいのであれば、横になっていても良いのだぞ」
 恒正の機嫌はけして悪くない。というより、むしろ上機嫌であった。このひと月の間に、何があったのだろうか。楓は訝しげに父を見つめた。
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