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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 と、恒正がおもむろに切り出した。
「今日は、そなたに話が合って参った」
 父の視線を真正面から受け止め、頷く。
「私も父上に折り入って聞いて頂きたい話があるのです」
 だからこそ乳母を通じて毎日のように目通りを願っていたのだが、今更、過ぎたことを口にしても利はない。また、今夜は父の機嫌は損ねない方が賢明だ。
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