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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
  ひとときの後、千種は頼経に命じられて、褥に腹ばいになった。初めて彼にあからさまに背中を見せた瞬間だ。
 静かな時間が流れた。その沈黙を破ったのは千種の方だ。
「愕かれましたか?」
 頼経は即答した。
「いや」
 千種は微笑んだ。
「よろしいのですよ、気を遣って下さらなくても。醜いでしょう」
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