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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第13章 藤の舞
あのような淫夢を見るなぞ、以前の自分であれば想像もつかない。しかし、頼経という愛する男を得て、愛される歓びを知った今、このような夢を見るのは自分の心に醜い魔物が棲んでいるからに他ならなかった。
そう、夢の中で見知らぬ女を抱いていたのは頼経であったのだ。恐らく女の方は頼経手ずから自筆の扇を賜った白拍子環だ。
今宵、頼経は千種の許に来なかった。その夜にこのような禍々しい夢を見たというのも何かの予兆だというのだろうか。夢は時として現になることもあるという。
そう、夢の中で見知らぬ女を抱いていたのは頼経であったのだ。恐らく女の方は頼経手ずから自筆の扇を賜った白拍子環だ。
今宵、頼経は千種の許に来なかった。その夜にこのような禍々しい夢を見たというのも何かの予兆だというのだろうか。夢は時として現になることもあるという。