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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第13章 藤の舞
 翌朝、千種は縫い終えたばかりの狩衣を風呂敷に包み、頼経を訪ねた。自分から良人を訪ねるのは初めてのことで、気が引ける。しかし、わざわざ政子が訪ねてきた意味を千種は正しく理解していた。
 政子は何より将軍と御台所が仲睦まじくあることを願っている。その心を無下にできるものではない。
 その時、頼経は床の上に起き上がり、何やら書き物をしていた。
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