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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第13章 藤の舞
「それよりも、御所さまは何をなさっておられましたの?」
 文机を覗き込もうとすると、頼経は狼狽えた。
「止せ、これは見るな」
 千種は頼経を軽く睨んだ。
「まあ、私と逢わぬ間に、どなたか他にお心を通わせるお方がおできになったのですか?」
 頼経はますます慌てた。
「まさか、馬鹿を申すでないッ。これはその―」
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