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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第14章 身代わり姫の告白
 頼経が千種を見つめた。
「何故、そのように考えが変わったのだ?」
 千種は笑いを含んだ声で応えた。
「何も栄耀栄華ができたから幸せだったというのではごいません。本来なら政の表舞台には上がれぬおなごが幕府の存続のために働き、また女としても心から恋い慕う方とめぐり逢い、その上、妻としてその方のお側にいることができました。ですから、私は十分幸せだったのです」
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