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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第14章 身代わり姫の告白

その年も押し詰まった天福二年(一二三四)十二月二十三日、千種はいよいよ出産を迎えようとしていた。既に臨月に入ってからは鶴岡八幡宮はむろん、全国の源氏ゆかりの八幡社には幕命により竹御所安産祈願が大々的に行われていた。
しかしながら、陣痛が始まってから数日を経ても、お産は少しも進まなかった。陣痛はかなり強いものが絶え間なく押し寄せてくるものの、赤児が途中で降りてこられなくなってしまったらしい。今でいう回旋異常である。
しかしながら、陣痛が始まってから数日を経ても、お産は少しも進まなかった。陣痛はかなり強いものが絶え間なく押し寄せてくるものの、赤児が途中で降りてこられなくなってしまったらしい。今でいう回旋異常である。

