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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第19章 再会

良人である帝は次々と他の女を寝所に呼び、自分は形式だけの妻でしかなかった。中宮と呼ばれる帝の正妻でありながら、最後まで彼女が手に入れられなかったもの、それは良人の心だった。
帝は才気煥発な女性を好んだ。もちろん、容姿も美しくなければならない。徳子は我が身を特に不器量だと思ったことはないけれど、さりとて、美人だと思ったことはなかった。第一、父清盛にお追従で〝徳子姫は美人だ〟と言う者があったとしても、それは所詮、お世辞でしかないことも知っていた。
帝は才気煥発な女性を好んだ。もちろん、容姿も美しくなければならない。徳子は我が身を特に不器量だと思ったことはないけれど、さりとて、美人だと思ったことはなかった。第一、父清盛にお追従で〝徳子姫は美人だ〟と言う者があったとしても、それは所詮、お世辞でしかないことも知っていた。

