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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第22章 涙の旅立ち

いつもこうだ。惟章と口づけを交わすのは初めてではないけれど、彼はいつも情熱的に瑶子を求めてくる。最初は瑶子を怖がらせないように口づけもそっと蝶の羽根が掠めるほどの優しいもので、それが次第に深くなってゆく。
けれど、今だけはその男の優しさが少しもの足りず、もどかしい。もっと烈しく奪い尽くすように口づけて欲しいと願ってしまうのは、自分がはしたない娘だからなのか。瑶子の心を見透かすかのように、口づけはやはりそれだけでは終わらなかった。
けれど、今だけはその男の優しさが少しもの足りず、もどかしい。もっと烈しく奪い尽くすように口づけて欲しいと願ってしまうのは、自分がはしたない娘だからなのか。瑶子の心を見透かすかのように、口づけはやはりそれだけでは終わらなかった。

