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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
「ようこそ」
 短い言葉ではあったけれど、物言いはけしてぞんざいではなく、むしろ思いやりが感じられた。そこからは執権の妻ではなく、良人となるひとが自ら手を引いて導いてくれた。
 その気遣いにも人々には意外であったらしく、頼経が瑶子の手を取ると、一同から軽いどよめきが洩れた。けれど、頼経に手を取られた刹那、そのあまりの冷たさに瑶子は思わず膚が粟立ってしまった。
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