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知らなくってもいい性
第19章 それでも
でも...
それでもマキはいつも家事をして、料理を作って家で待っていてくれた。
あいつだって、あいつなりに子供ができないこと気にしてたのに。
...なのに俺は、そのうちに子供ができないのはあいつのせいなんだ。って、だから若い子に気持ちがいくのはしょうがないんだって。
なんか勝手な理由つけたりして。
あいつが、
マキが悪い訳じゃなかったのに。
あいつは、あいつなりに頑張ってたのに。
俺は...そんなマキのこと気づかないふりして、我が儘になっていた。
...なんだよ。
俺ってたんなる駄々っ子じゃねぇか。
当たり前の生活にただ甘えて、
それがなくなって、今さら後悔なんかしたりして。
本当...何やってんだよ。
俺にとって大事なもの、見失ってた。
携帯を取り出す。
「...あっ、もしもしユイちゃん? えっ、あっ、いや連絡してなくてごめん。
あの...それで、今から出て来られないかな?」