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知らなくってもいい性
第3章 いけないこと
恋人以外の男性にはっきり「好きだ。」と言われて、正直私はときめいてしまっていた。
真っ直ぐに見つめる瞳にドキドキした。
そんな感覚は久々だったのだ。
一回だけならとデートをして、ついそのままの雰囲気で身体まで許してしまった。
そしてそれは二回、三回と回数を重ねていった。
カズキと身体を重ねるのは、ただただ気持ちが良かった。「浮気」という感覚は背徳感よりもより興奮するためのスパイスにしかならなかった。
どうしてかカズキとの行為は本当に良かったのだ。身体が合うっていうのはこういうことなんだと思った。
結婚する前なんだから、いいや。等と自分に言い聞かせたりして。
いけないことしてたと思う。
反省したのはカズキとすんなり別れるのが難しかったからだった。
「俺のこと分かってくれるのマキさんだけだと思う。
それに...マキさんとのセックス。今までで一番感じた。
ねぇ、俺じゃ駄目?」
式も近くなってきて、別れを切り出したとき、カズキは必死で私を求めてきた。
でも、私はカズキを選ばなかった。
理由は単純に今更結婚を中止にはできなかったし、
それにカズキは大学4年の就活が大忙しのときだった。
シビアに考えて、就活中の大学生より仕事が軌道に乗って安定収入のあるマサヒトを選んだのだ。
マサヒトに申し訳ないという気持ちより、カズキの苦しそうな姿を見て、もう二度と浮気なんかしない。と思った。
...それが3年前のこと。
カズキだって、若いんだから私のことなどさっさと忘れて割りきって暮らしているだろうと、
そう思っていた。