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知らなくってもいい性
第5章 久々に

「痛たっ。」

どれぐらい眠ってしまっただろうか?
なんだか身体のあちこちが痛い。

頭がぼーとする。あんなに激しいセックスは久しぶりだった。

子供を作るためなんかではない。
ただ求められるセックス。

私は正直、無理矢理犯されながらも最初は感じていた。
抵抗しながらも夢だったなら許される行為なのにと。心の隅で思ってしまっていた。

「はぁ...どうしよう?」

マサヒト心配してるかな。
今日は出張から帰ってくるから、ご飯作って待っていようと思ってたのに。

...というより、まだ「今日」なのか?
だいぶ時間が経ってる気がする。
買い物に出掛けたのが夕方だったのだから、もう一日経ってるかもしれない。

でも...マサヒトは本当に心配してくれるだろうか?

むしろ心配してくれればいい。

結婚当初はお互いに子供が欲しいと話していて、家族計画に夢を膨らませたこともあった。

しかし、現実は思ったよりも厳しく、私達は子供に恵まれないまま月日が流れていった。

ひょっとして、私が浮気なんかしたから...だから罰が下ったのだろうか。そんな思いが頭をかすめたこともあった。

いや、そんなことは関係ない!!
自分にそう言い聞かせて、前向きに生活してきた!
けど...半年ほど前からマサヒトの態度が冷たくなった。

夜の行為も回数が減り。残業が増えて、お互いに接している時間が少なくなっていた。

大体にして、仕事のことはよく分からないけど、出張に日曜の朝から行くのもおかしい。
「向こうに知り合いがいるから。」とかなんとか言ってたけど、早く私から離れたいのだろうか。
...と思ってしまった。

結婚して、3年は経とうというのだからそんなものなんだと言い聞かせていたけど、心は寂しかった。

そんな時にカズキは現れた。

冷たくあしらった私のことをまだ好きだ。
などと言う。
常識など全てなくしてカズキに甘えることができれば。

あのセックスを素直に受け止めることができればどれだけ気持ちがいいだろうか。

もう何も考えずにまた眠りについてしまおうか?
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