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知らなくってもいい性
第13章 家に帰りたい?
でも...
苦しい後の優しさにはやっぱり弱い。
つい気が緩む。

目から涙を溢しながら、カズキにすがった。

「お願いっ!!もう勘弁して!!
助けて!!私、このままでいくと壊れちゃう。もう、心も身体も限界なの!
お願い。家に返して!!」

カズキは突然のことに驚きつつも、持っていた食料をひとまずベットに置いて、しゃがみこんで号泣する私をそっと抱き締めた。

「マキさん...とりあえず落ち着いて。」

優しくされるのは久々な気がする。

こんな抱擁が嬉しいと思うぐらい、今の私は弱ってる。

カズキになだめられながらとりあえずベットに座った。

「あぁそうだ。これ、ボスから預かってきた。」

カズキはポケットから小さな鍵を取り出すとガチャガチャと右足の重りを外した。

「救急箱もあるし、とりあえず介抱してくから。」

カズキは部屋の端から救急箱を持ってくると不器用ながらに介抱し始めた。
といっても、傷に消毒液をつけて絆創膏を貼るだけの簡単なものだったけど。

でも、私のためにせっせと世話をしてくれるカズキを見ていると、なんだか気が紛れた。

「よしっ。これでいいかな。
じゃあご飯食べよう。」

本当に簡単だった。菓子パンにバナナにパックジュースにあと栄養ドリンクぐらいだった。

でも、お腹も空いていたので、とりあえずいただいた。

無言でジュースを飲み、無言でパンをかじる。
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