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知らなくってもいい性
第13章 家に帰りたい?

「俺ね。マキさんが幸せだったら諦めようかな。って思ってたんだよ。

...悪いんだけど、ここ数日、マキさんがどんな生活送ってるのか調べてた。」

何を言いたいのか分かった気がした。

「...」

「ねぇ、マキさんも気づいてるよね。
旦那さん...浮気してるよ。」

...気づいてた。
だって、あの人隠すの下手だし。
出張って本当かな。ってずっと思ってた。

「相手は同じ会社の若い女の子で、ここんとこなんて泊まり込んでたんだよ。」

だろうね。
日曜から出掛けるなんてやっぱり変だった。

「やめてっ!もう聞きたくないっ!」

「なのに何食わぬ顔でマキさんのいる家に帰ろうとしたんだよ!

俺やだよ。

あんなやつにマキさん会わせたくなかった。
だから、連れてきたんだよ。」

涙が流れてきた。

...知ってた。知ってたけど、

私にはマサヒトを責める権利なんかなかった。

だって、私だって過去に過ちをしている...

あのとき私は短期間だったし、マリッジブルーなんだとか言い聞かせて、大した罪悪感も抱かなかった。

そんな私が彼を責めることなんかできない。
見てみぬふりしかできなかった。

でも、約3年も夫婦としてやってきたのにショックだった...。
マサヒトのために頑張ってきた私はなんだったんだろう。って。

心が離れていくのを感じて寂しかった。


でも...私にできることをやって、マサヒトのことをちゃんと支えていけたら、またやり直せるかな。って夫婦なんだから、頑張ろう。ってそう思ってた。
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