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BlueSpinel~快楽に噎(むせ)ぶ処女姉妹~
第2章 交渉・晶の場合
テーブルに届いた肉を
晶は焼き網で軽く焙り、遠慮なく食べる。

「やー、おいし~♪」

「どうぞ、もっと注文して下さい」

額に汗して肉をほおばる晶。
子供っぽさと、際どい色気が同居している。

髪は軽く茶に染めていて
生え際が露出するアップヘアだ。
頭の両サイド、かなり高い位置で三つ編みをまとめ
大きなリボンのような飾りで留めている。

匠海と同席していると、父娘のように見える。
だが匠海の口ぶりは、あくまで他人行儀だった。

「しかし、〇大といえば名門ですよね。
お姉さんは優秀なんですね」

「うーん、そだね」

チラリと、晶の瞳が揺れる。

晶にとっては、不機嫌にさせられる話題のようだ。
一瞬、気まずい雰囲気になった。


だが、晶はすぐに話の鉾先を変えてきた。


「この後、どーします?」

「え……?」

「いちおー、クチとか、OKですよ」

匠海は箸を止め、晶を見返した。

鉄板の熱気で、眼の前は陽炎のように揺らいでいる。
食欲をそそる香ばしい匂いを運んでいる。

その先で
晶の双眸がジッと見返している。

濃色の口紅が
可愛らしい口を 縁取っている。

その奥から
舌先がチロリと覗き、唇をなぞった。

……こんな情景を日々夢想する男たちは
トークカフェに戻れば、何人でも居る。

匠海は、偶々選ばれたのだろう。
晶にとって手頃な、エサとして。
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