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秘密にしろよ
第9章 新しい生活
俺が部屋着を着終えると同時に、ビールを2本片手に、グラスを2個片手に持った恭介が現れて、それをテーブルへと置いていた。

そして俺の方へと歩いて来ると、

「…お前…紺色似合うな?……ヤッパリ大きいな。」

と屈んでズボンの裾を折ってくれた。

そして俺の脱いだスーツを持って、また消えてしまった。

少しして戻った恭介が、

「…ところで…麟太郎は何が食べたい?…と言っても…出前だから…限られてるが。」

とソファーに腰をかける。

「…何でも食べるよ。恭介に合わせる。俺は好き嫌い無いから。」

と言うと、

「…偉いな。俺は野菜が苦手だ。」

と少し目を細めていた。

…子供かっ。

と思わず突っ込みそうになった。

「…寿司にするか?パエリアとかもあるが。」

…何だよ…イチイチお洒落な事言いやがって。

「…んじゃパエリア。」

と俺は少しムカついたので、お洒落な方にしてみた。

「ん。分かった。頼んで来るから、ビールでも飲んでろ。」

と又俺を置いて恭介は消えて行った。

恭介って…マメだよな?意外だ。

俺はビールをグラスに注ぐと、グイッと一気に飲み干した。

めっちゃ旨い。普段飲んでる発泡酒とは違うな。うん。

…酔わなきゃやってられるかっての。

…恭介…俺の何が好きなんだろ?

俺はあまりの違いに、物凄く不安になってしまった。

恭介が戻ってきて、

「…40分かかるらしい。腹へっただろ?これでも摘まんでろ。」

とテーブルにスルメの袋を置いた。

…うおーっ!!今日初の庶民的アイテム!!

恭介には…似合わないけど。

俺があまりにも目を輝かせたのに気がついて、

「…そんなにスルメが好きか?俺もこれは好きだ。」

とグラスのビールを飲み干していた。

…恭介って…めっちゃ飲みそうだよな。
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