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第9章 新しい生活

俺は恭介の腕枕で寝転んでいた。

…明日は…何しようか…

ずっと…こうして抱き合ってるのも…いいかも。

そんな事を思っていると、俺は自然に眠りに落ちた。

『…麟太郎…愛してる』

微かに恭介の優しい声が、聞こえた様な気がした。



「ん…」

俺は寝返りと共に、目を開けた。

一瞬どこに居るのか分からなかった。

ハッと勢い良く起き上がる。

…そっか…恭介ん家泊まったんだった。

恭介?

俺は隣で寝てるハズの恭介を探す。

…居ない…どこ行ったんだ？トイレかな？

フッと壁に掛けられている、お洒落な時計を確認する。

…10時?

もう…そんな時間なんだ。

俺は広いベッドを出ると、そっと寝室の扉を開く。

シーンと静まり返る廊下に、俺は帰りたくなった。

…うっ…朝だけど…めっちゃ恐い。

誰も居ない広い屋敷って…凄い恐怖感が湧くよなぁ。

俺は何故か足音を立てないように、忍者みたいに歩いた。

…階段…あっちだよな？

寝室は2階だったので、俺は１階を目指していた。

…部屋…結構あるよな？

使ってんのか？

…嫌…取り合えず…恐いんだけど。

ビクビクしながら階段を目指して角を曲がった。

「ひっ…うわぁーーーっ!!!!!」
「…ぐっ!!!!」

角を曲がった所で誰かが立っていたので、俺はかなり飛びながら叫んで目を瞑る。

…ぐっ?…ぐって聞こえたよな？

「…麟太郎…」

…恭介?

俺はそっと目を開けて恭介を確認する。

「…恭介ぇ…ビックリするじゃんっ…」

と俺は悲惨な顔を向けた。

「…嫌…それは俺のセリフだ。お前の声で変な声が出てしまった。」

と恭介は笑っていた。

…ぐって…恭介の声だったんだ。

ちゃんと…顔見てれば良かった。

恭介の驚いた顔…見たかったなぁ。