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秘密にしろよ
第9章 新しい生活
「…朝飯…には少し遅いが…作っておいた。軽く食べたら…出掛けよう。」

と恭介は俺をリビングへと促す。

リビングの扉が開くと、何かいい匂いがしてきた。

テーブルに並んだ食事に…

「…これ…恭介が作ったの?!」

と俺は絶句した。

「ん?…ああ…こんなのは簡単だ。混ぜて焼く位なもんだから。…長年独り暮らししてると…なんて事はない。」

と淹れたてのコーヒーを注いでいた。

「…もうひとつ…驚いてもいい?」

と俺は椅子に腰をかけながら言う。

「…何だ?」

と恭介はブラックコーヒーに口をつけながら聞いた。

「…どこが…軽いんだよ。めっちゃ量あんじゃん。」

と自分の皿に盛られている、スクランブルエッグと、分厚い焼きベーコンと、サラダの盛り合わせと、分厚いフレンチトーストを指差した。

「…お前のは…少し減らしておいたが…」

と恭介は悪戯に微笑んだ。

「…そーだろーけど…こんなに食えないって。俺ん家の朝御飯…見せてやりたいよ。恭介だったら…全員分食うんじゃねーの。」

と俺はサラダにフォークをぶっ刺した。すると、

「いただきます…は?」

と恭介に言われて、慌ててフォークを置くと、

「いただきますっ。」

と元気良く唱える。

…親か。

それを見て、恭介はクスッと笑った。

俺なりに必死で食べた。

「うっ…恭介ぇ…もう…無理ぃ…」

と半分位は残してしまった。

「…本とに食わないなぁ?お前。大きくなれないぞ?その割りには…大きなモノを持っているが。」

と恭介は綺麗に食べ終えて、悪魔の様な顔をした。

…朝から下ネタかよ。

「…ごめん…折角作ってくれたのに…俺だって全部食べたいよ。」

と情けない顔をすると、

「…気にするな。食べられないだろうと分かっていた。」

と恭介はコーヒーを飲み干した。

…だろうな。
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