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秘密にしろよ
第10章 二人の想い
目を見開いて顔を赤く染めると、

「あっ…城谷です。…宜しくお願いします。」

と俯いた。

…何だよ…その反応は。

さっきまでの澄ました顔は…どーしたんだよ。

…やっぱこいつ…ゲイ?!

しかも…俺…惚れられた感が半端ないんですけど…。

遅咲き両刀の感だろうか…。

何となく…同じ匂いがしていた。

俺は早々と食べ終えると、二人よりも先に食堂を後にした。

抱く女を探すつもりだったのに、そんな雰囲気でもなかったし…何だか気持ちがソワソワして、落ち着かなかった。

社長室へと戻って、まだ昼休み中だけど俺はパソコンに向かった。

暫くすると恭介が戻ってきた。

「…麟太郎。休憩も大事だぞ?」

と俺の前へ立つと、恭介は微笑んでそう言った。

「あっ…うん。ちょっとだけ見てるだけだから。」

と恭介を見やると、

「…お前は…城谷をどう思った?」

と恭介は悪戯な笑顔を見せた。

…どうって…何が?

「…恭介は…あいつを気に入ってんの?そんな噂…聞いたんだけど…」

と俺はそう言って、顔が熱くなるのを感じていた。

「…ヤキモチか?」

と首を傾げて微笑む恭介に、

「……っ…そーだよ。俺は…」

と少し声を荒らげると、恭介は言葉を遮った。

「…ヤキモチを妬くのは…俺の方かもな。」

と意味深な事を言って、自分のデスクへと戻って行った。

…ん?…今何と?

…ってか…それってやっぱ…俺…。

感が当たってるって事だよな?

何となく空気を読んで、俺は口を閉ざした。
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