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第4章 牧瀬 江奈(まきせ えな)の魅力

『…いえ。問題は御座いません。体調は如何なものかと思いまして。…社長も心配していらっしゃいます。何か不自由な事があれば…わたくしが参上いたしますが？』

…社長に頼まれたのか？…だよな。

「…嫌…別にこれと言って…飯がない位なもんで。寝てれば治ると思うし。」

と話終るか終らないか位で、

『いけませんねぇ…それは。食べないと治りませんよ。体力付けないと治りも遅いですし。そうでしたか…分かりました。でわ後程参上いたします故…お待ち下さい。』

と一気に捲し立てる。

「えっ？…嫌…いいよ…大丈夫だから。そんな事まで…」

と戸惑っていると、

『…何か問題でも？これは規則ですので…何もお気になさらず。でわ失敬いたします。』

と勝手に切ってしまった。

…何なんだ？

…規則ぅ？…聞いた様な聞かなかった様な…。

てか…何でお前なんだ。

他に居るだろ。もっとこう…心も癒してくれそうな女が。

俺はベッドから起き上がると、一応部屋着に着替えた。

…パジャマは…見られたくねーし。

あいつには特に見られたくない。

…何で俺…そんなにあいつが嫌なんだ？

嫌…なのか？

…嫌ではないけど…苦手？

何となく…避けたい相手？

生理的に受け付けない？

…俺って…酷い？

何で社長は…あれが良いわけ？

いったい何処に魅力があんの？

…やっぱ俺って…酷い？